みなさんこんにちは
今回は先日発表されたAppleの新MacbookProで搭載されるM1チップのPROとMAXについて解説していきます。M1チップなんだから去年と同じじゃないかと言われればそうなのですが、個人的な意見も踏まえて解説していきます。
スペック
まずは簡単にスペック一覧を見てほしい
プロセッサー | M1 | M1PRO | M1MAX |
製造プロセス | 5nm | ||
CPUコア | 8 | 8~10 | 10 |
GPUコア | 7~8 | 14~16 | 16 |
Neural Engine | 16コア | ||
メモリ | 最大16GB | 最大32GB | 最大64GB |
何が違うのか
コア数が増えた
去年のM1チップのときはCPUコアが8コアだったのですが、今回は2コア増加し、最大10コアのCPUを搭載しました。これにより、処理速度がさらに高速になり、今までよりも快適にパソコン操作をすることが出来ます。
プロセッサーが5nmでの製造プロセスであることから、少々コアを増やしたところで省電力性としては全く問題ないのでしょう。8コアでも十分な性能をしていたのですが、コア数を増やすことでさらに性能向上を実現したのだと思います。
熱問題もあるとは思いますが、5nmの製造プロセスは何度も説明したように、排熱の少なさや、今回のMacBookProにはファンの性能も向上していることから、あまり気にしなくてもいいです。そこまで気にしたところで誤差です。
GPUコアが倍増
去年のMacBookProではGPUコアが最大8コアだったことに対して、今回は最大16コアです。これによって何が変わってくるかというと動画編集や画像編集の際に違いが出てきます。CPU同様にGPUも性能が上がるとそれだけサクサクに動くようになります。
GPUコアが倍増してきたということは、AppleはMacBookProをよりクリエイター向けに作ってきていると考えられます。まぁ主にはYouTuberがメインかと思われます。会社で使う人もいるかもしれませんが、基本的に法人向けというのはWindowsです。
デザインに関わる仕事ならMacを使うかもしれませんが、基本的にMacでできることはWindowsでもほぼできます。違うのはUIでWindowsは圧倒的にUIがいいです。それは今後、いや一生変わらないといってもいいでしょう。
メモリも倍増可能に
メモリに関しては個人的にはノートパソコンで倍増されても消費電力が多くなるだけなので、あまり意味はないと思っていたのですが、Appleユーザーからしてみれば全く物足らないようです。
正直メモリを増やしたから処理速度が速くなるかと言えばそんなことはありません。メモリを増やしたときに真価を発揮するのはマルチタスクにしたときです。つまり、ブラウザを何個もタブを開いて、編集ソフトを開いて、なおかつiTunesも開くといった具合です。
一つのパソコンで何個も立ち上げているのならメモリを増やす価値はあるのですが、現状ほとんどの人は16GBで十分です。ちなみに私の場合だと、2ブラウザで10タブか11タブ、メールソフト、discord、エクスプローラーでだいたい8GBくらいです。
メモリは増やしてもいいですけど、そこまで必要性はありませんし、装着しても宝の持ち腐れなので、素直に16GBにするのをおすすめします。(ゲームをするのであれば別ですが・・・)
ダイの大きさが拡大
ダイの大きさってどういうこと?と思ったかもしれませんが、まずはこちらの画像をご覧ください。
引用元:ITmedia
明らかに大きさが違いますね。これは何を意味しているかというと「トランジスタ」の数が違うのです。トランジスタというと聞きなれない言葉かもしれませんが、難しい言葉でいうと、入力信号のスイッチをしたり、電流増幅をする機器です。
いまいちよくわからないかもしれませんが、このトランジスタが多ければ多いほど計算能力が向上し、より速度が出るのです。ちなみにトランジスタの数を増やそうとなると製造プロセスを細分化しなければならないのですが、M1チップらそもそも5nmなので問題はないです。
今回のProとMaxはCPUやGPUコアを増やしただけでなく、プロセッサーの面積を増やすことでトランジスタを増大させ、さらなる処理速度の向上を実現しました。それがとれくらい進化しているのか次で説明します。
パフォーマンスが急成長
まずは公式発表ではありますがまずはこちらの画像をご覧ください。
これはCPUのパフォーマンス図ですね。どういうベンチマークをしたのかはわかりませんが、これを見る限り8コアのノートパソコン用のCPUよりもハイパフォーマンスを出せますという図です。これがゲームでのベンチマークなのかソフトでのベンチマークなのかはわかりません。
まぁこういうグラフというのは他社ものよりも自社のものが優秀ですよというふうに改造するのでこれだけを見て一概にMacBookはすごいんだと過信をするのはよくないです。そしてもう一つ気になるのが、PROとMAXはノーマルに比べて性能が飛躍的に伸びているということです。
先ほどにもあったダイの大きさもありますし、単純にコアの数も増えているというのも関係しています。よりハイエンド機に進化MacBookProですので、これから出てくるユーザーのベンチマークテストが楽しみです。
これはGPUの性能差です。これも何をもってベンチマークをしているのかわからないのですが、このグラフを見ているとMacBookProはクリエイターにはもってこいですよと示しているのかもしれません。
確かにパソコンにとってCPUとGPUの性能は大きいに越したことはないのでこれだけの性能を持っているとMacBookProが選択肢に入ってくるのは自然な流れじゃないのかなと思います。
なぜM2チップじゃないのか
パソコン市場はスマホ市場ほどでかくない
まずはこちらのグラフをごらんください。
これはスマホとパソコンの世界の出荷台数を比較したものです。これを見てわかるようにスマホ市場というのはパソコン市場の約6~7倍はあるのです。こんなに差があるのですから、パソコン市場に力を入れてもしょうがないというのはわかると思います。
2020年はテレワーク需要が増えたとはいえこの程度の数字なのです。だからそんなに大きくない市場ですから、そんなに新プロセッサーを出したところで在庫が次々掃ける市場ではないのです。
MacBookはそんなに売れるほど市場を占有していない
そしてもう一つのグラフをご覧ください。
これはパソコンの世界の出荷台数です。スマホの出荷台数はグラフにはしていないのですが、Appleはスマホ市場では世界3位なのですが、パソコン市場では4位なのです。しかも市場占有率があまりよろしくない4位なのです。
スマホより小さくかつ市場占有率も低いのですから、そんなに力を入れてCPUを開発したいとは思わないのでしょう。それだったらスマホ市場でCPUをどんどん形成してからそのグレードアップとしてMacBookに搭載という流れにあるのかもしれません。
実態はどうかわかりませんが、いずれにせよAppleからしてみればパソコン市場にそんなに投資はしたくないというのが今回のM1PRO&MAXに現れているのだと思います。
在庫を余らせるわけにはいかない
企業というのは倉庫に在庫をかかえるわけにはいきません。売掛金の回収をしなければならないので、在庫が余ったままだとただお金をたれ流しているだけで何も利益を生み出してはいません。利益を生んで次世代プロセッサーを生み出すにはまず倉庫に残っている部品を吐き出さなければなりません。
そしてさきほどのグラフにもあったようにMacというのはパソコン市場の中では売れてないほうです。ただでさえスマホ市場より小さいのですからどうしてもパソコン用の半導体は余ってしまうことがあります。
コロナ禍のテレワーク需要があるとはいえ、企業向けパソコンは基本的にWindowsです。MacOSを入れている企業は少数派なので、MacBookはどうしても個人向けに頼らざるを得ません。こう考えるとM2チップが出てくるのは早くて来年、遅かったらいつまでも出てこないかもしれません。
半導体不足は関係ない
昨今、マイニング需要やテレワーク需要、東南アジアのロックダウンの影響で半導体不足が続いています。確かにiPhone13は半導体不足の影響をもろに受けて、予想よりも売れていないという状況になっています。
しかし、今回のM1チップのアップデート版の発表を見るとそういった半導体不足の影響はないと考えています。M1チップの在庫が余っていないなら今回の発表でM2チップの発表になるはずだったのですが、思った以上にM1チップが余ったのでしょう。
なので今回はM1チップを掃くためにアップデート版を用意したのだと思われます。去年から1年みてみても半導体不足の影響でMacBookProが伸び悩んだなんてニュースはあまり聞きませんでしたからね。まぁそういうことです。
今後の予測
今後としては3タイプで売っていく
スマホは大きさや性能差を見た目から変えていくことができるのですが、パソコンは組み込まれているチップしか変えることができません。なのでiPhoneにあったようなノーマル、PRO、MAXの3タイプで今後は販売をしていくのではないかと思われます。
ただし、パソコンはスマホと違い、最小構成でも10万前後です。今回のMAX搭載タイプにいたっては約40万円からです。明らかにスマホよりも高額になりますので、毎年買い替えるわけにはいきません。ユーザーからしても何年かに1回しか購入しないパソコンに対してAppleも力はいれるけどスマホほどというスタンスだと思います。
それにしては毎年10万もするスマホを買うユーザーがいるってすごくね?
プロセス細分化はちょっとずつしか進まない
現在のM1チップの製造プロセスは5nmです。これ以上のプロセス細分化も進んではいます。
しかし、進むとしても次は4nmでその次は3nmです。前までは14nmから10nmや7nmに一気に細分化できたいのですが、ここから先はかなり厳しい戦いになるのではないかと思われます。まだCPUの頭打ちは来ていないと思いますが今後の展望には要注目です。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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