みなさんこんにちは
今回は私が卒業した学科である「数学科」について解説していこうと思います。そしてこの記事は前半後半とわけて、前半では数学科についてそういう学科なのか。いいところは何なのかを解説していきます。
数学科は何をする学科?
数式や定理の証明しかしない
高校までの数学は数字を使って、実際に計算して最終的に数字として答えがでるのですが、数学科の場合は数字がほぼ出てきません。本当に出てこないです。出てきても知らない間に物理の話になったりと数学科とは無関係のところで数字が出てきます。
じゃあ何をするかというと基本的には「証明」です。簡単に言えば、中学で習った二次方程式の解の公式を使って解くのがいままでだったのが、数学科では二次方程式の解の公式がそもそもなぜ成り立つのかを証明する学問なのです。
なので証明が嫌いな人はまじで入って1か月で挫折して4年間後悔します。私自身は数学科にいてよかったと感じていますが、大半は半年でもう嫌になった人が多かったです。それくらい今までの世界が一変するのです。
計算はするが文字の計算しかしない
じゃあ本当に計算しないかといえばそうでもありません。ただし、数字ではなく文字の計算です。ひたすら文字計算ばっかなので本当に数字なんて出ないのです。仮に研究で数字なんて出したとしても教授からすぐに文字に変換させられてしまいます。
私も大学で数字を使って計算したのはほんの数回ぐらいしかありません。そもそも大学入学してまず何を習うかといえば「収束の定義」です。もうこの時点で文字しか出てきませんし、今までやってきたことを180度ひっくり返されます。
そういう意味では数学が好きであるとともに論理的に物事を考える人でないと数学科はなかなかなじめないのではないかと思います。
理系大学生みんなの敵イプシロン
時々プログラミングもする
数学科は証明ばかりかといえばそうではありません。たまにプログラミングもします。今でこそなんとなくではありますがプログラムがわかったりしますが、当時は全くわからずちんぷんかんぷんのまま大学の参考書をあさりにあさってなんとかしのいでました。
それでも研究のときには論文作成のときに使わなくてはいけないプログラミングがあったのです。それが「TeX」です。TeXは何かというとpdf上で数式を綺麗に見せるための編集ソフトです。厳密に言えばプログラミングではないかもしれません。
しかし、このTeXを使うことで今あるソフトより一番綺麗に見せることができます。しかも無料で使えます。もしインストールされたい方はリンクもはっておきますのでご自由にお使いください。
数学科のいいところ
デメリットを多く話してしまいましたが、ここからはいいところを解説していきます。
実験がなく単位は一律
理系というと実験が多く、一日中実験室にこもりっぱなしなんてことはありません。行くとしても図書館くらいで基本授業がおわったらすぐに帰れます。特にきつくもなく疲れて倒れるなんてことはありません。
しかも他の理系学生に聞いたところそんなに実験があったとしても単位は2なんてことよくあるそうです。数学科は90分で授業が終わりますし、長くなることもなく、単位も全て2です。たまに1なんて授業がありますが、それは時間も半分の45分になっています。
実験もないということで私立大学では他の学科よりも学費が少しだけ低いのです。まぁ実験器具使わないので当たり前って言えば当たり前ですけどね。授業時間も全て標準で単位も一律ですから数学科で倒れるってことはまずないです。
実験室には入ったことがありません
研究室にこもらなくていい
実験もないですし、当然研究室にこもって実験を繰り返すなんてこともないです。紙と鉛筆があれば別に大学でなくてもできますからね。ただ卒業論文のときはさっきのTeXを使って書かないといけませんので、それで研究室にこもるというのはあるかもしれません。
私も大学時代は卒業論文を書くときは研究室に寝泊まりするのかなと少し期待したのですが、そんなことは全くなく、むしろ家のパソコンで論文書いているほうが圧倒的に多かったです。大学の研究室には寝るかパソコンいじるかぐらいしかしてません。
そこであんまり勉強をしていた記憶がありません。それでも卒業できてしまうのですから数学科は他の学科よりかはレベルは低いかもしれません。他の学科は研究で院生との上下関係もあったそうで大変な目にあったそうです。
ちなみに数学科は院生との交流は全然なく、むしろ留年生との交流が多く、4回生のときにすっごいクズの留年生がいたのですがすっごい面白い人だったので個人的にはその人たちの話があってたのかもしれません。
怖いけどいい人もいる
レポートはなくテスト100%が多い
他の大学は知りませんが、少なくとも私が行っていた大学の数学科は出席なんてほとんどとりません。取る先生もいましたがそれは少数派でした。なので最初は大きな教室に100人前後いたのですが、ほんの2、3回目の授業では20人程度まで出席数が落ちます。
出席を取る先生ではかなり出席率がよかったのですが、まぁお察しの通り出席の名前を書いたら教室を出ていく光景を何度もみてきました。そして真面目な学生に出席の名前を書かせるということもあります。実際に私もやったことがあります。
まぁ別にいじめられていたわけではなく、自分のを書いて他人のも書いてばれなかったら別に同じだし、授業中ノート取る以外は暇だったので自分からいいよと言ってました。私みたいな人間がたくさんいればいいのですがそんな人そうそういないので他の人はくれぐれもやらないようにお願いします。
全てが決まる
定期テストは過去問があればなんとかなる
数学科の単位はテスト100%が多いので最後のテストでなんとかできれば何も問題はありません。授業も出ずにテストなんて解けるの?と思う人多いかもしれません。しかし、数学科は過去問さえ手に入れば何とでもなります。
まぁそれでも過去問みただけではちんぷんかんぷんなので頭のいい友達に教えてもらうか先輩に頼み込むしかないです。それより過去問なんてどうやって手に入れるかというと基本的には先輩からもらいます。つまり、人間関係が全然できてないとものすごく不利なのです。
私の場合は先輩と繋がりがなかったものの、当時の友人が先輩と繋がりがあったおかげで過去問を手に入れることができたのです。これが完全なるぼっちなら大学生活詰んでたかもしれません。当時の友人とはもう会うことは出来ないかもしれませんが、彼らには非常に感謝しています。
他の理系分野にも違和感なくのめりこめる
数学は全ての理系学問の基礎ともいえるので、他の理系分野に進んだとしてもすぐに理解できます。今私は生産技術で電気系を勉強しているのですが、数学をやっていたおかげでなんの苦労もなく電気の知識を取り入れています。
この数学の知識がなかったらまず虚数がとか三角関数がとか言われても意味不明なのです。そういう意味では数学やってきて本当によかったかなと思います。大学を卒業して10年たってもこんなことを言うのですから数学科に来る意味はあるのです。
論理的思考が身につく
数学というのは主に証明が基本なわけですから道筋をたてて説明していかなければなりません。でないとすぐ突っ込まれて自分が不利になるだけなのです。この思考回路は何事でも、特に仕事においては非常に重要です。
仕事をする上でもなんとなくで進めるより、しっかり道筋が立てられていて根拠が示せたなら誰にでも納得してもらえます。論理的にとらえているのですから、どこが悪いのか急所的にとらえることも可能です。
数学科を出たら数学そのものは役に立たないかもしれないが、こういった論理的思考が身に付き、話しててもわかりやすく納得されやすい人には育つかもしれません。ただそのためだけに数学科に行くのはかなり危険なのでやはり最初は数学が好きな人が目指すべきです。
もはや必須スキル
中学・高校の数学の教員免許が取れる
おそらく数学科にきた半数以上がこれのために来ています。私の大学でも半分以上が学校の先生です。むしろ一般企業に就職した人のほうが少ないかもしれません。しかし、教員免許が取れるからといってただ卒業したら取れるものではありません。
行員免許を取るためには普段の授業が17:30ぐらいに終わるのですが、教職課程はそこから授業が開始されるわけです。つまり、会社でいう残業時間に教職課程をうけなければなりません。そうなると帰るのも20時を過ぎます。
私も最初は先生を目指して頑張ろうかなと思いましたが、この教職課程が遅い時間までかかるというのを聞いた瞬間すぐにやめました。むしろ自分は先生なんて向いてないから目座なくてもよかったです。
ちなみに普通の学科では中学・高校の教員免許までしか取得できません。仮に小学校の教員免許を取ろうとなると「教育学部」に行かなければなりません。普通の学科でも取れますが、他大学プログラムに参加しないと取れません。それでも取りたい人はぜひ目指してみてください。
数学科を目指すべき人
四六時中数学のことを考えられる人
寝ても横になりながら数学のことを考えられる人でないと数学科はまず続かないと思います。それくらい今までの数学とは180度違うわけですし、入ってもすぐに嫌いになります。まじで世の中の役には立たないです。
そりゃ探せば役に立つものもありますがそんなものはほんの少数です。高校まで数学がどうしても好きで大学でも勉強したいという強い意志がないと目指すところではありません。ぶっちゃけ数学科を卒業した私から言えることは数学科に行くならデータサイエンス学んだほうがましです。
学校の先生になりたい人
基本的に学校の先生になりたい人はどこの学科でもいいです。ただし、対応している教員免許の学科にいかなければなりません。数学科では数学のみの教員免許が取れます。ただ、学科によっては2つ以上対応している学科もありますので大学のHP等で確認してみてください。
ただし、さっきも書きましたが教員免許を取るには夜遅くまで授業を受けなければなりませんし、教育実習もしなければなりません。さらには教員採用試験に合格しないと教師として採用されないわけですからかなり厳しい道のりなわけです。
それでもいいなら止めはしませんが、相当な覚悟をもって臨んでください。色々書いてきましたが、数学科はぶっちゃけ実験が無い分楽です。何時間も実験室や研究室にこもりっぱなしもないわけですからテストさえ乗り越えられれば楽です。これを読んでぜひ目指したい人がいれば目指してみてください。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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